時事雑感

万博日記 7月17日(木) 15:35-19:25

この日は早めの予約があり、かつ16時入場と混じると間に合わない可能性があったため早めの入場。
午前中に結構な雨が降った日で、確かに天気がいい日よりは少ない来場者数(111,303人)と記録上はなっているのですが、おそらく止み始めてからかなりの人数が入っていたのではないかと思われる混みっぷり。
予約までちょっと時間があるのでコモンズ-Dを巡ります。モンゴルの展示がなかなか興味深かったかな。

     

本日予約のパビリオンは「Dialogue Theater –いのちのあかし–」。奈良県十津川村と京都府福知山市にあった廃校舎を移築し生まれ変わらせ、周囲に里山のような景色を再現した建築が一際異彩を放つパビリオンです。
懐かしくも新しい不思議なパビリオンですが、同時に「ちょっと敷居が高い」と感じていたパビリオンでもあります。というのも、体験内容が「当日その場で来場者の中から対話者を決定し、スクリーンの向こうの人物と対話する」というものだから。対話するというのはなんとも地味で難しく感じるし、なにより当日突然対話者になったらどうしようかと…それこそ、子供の頃に学校で先生から指名されてしどろもどろで答えていた記憶が蘇ります。

ちょうど訪れたときは「SHISEIDO WEEK」と題して資生堂とのコラボをしている時期で、普段は黄色をアクセントカラーにしている部分が資生堂の赤になっていました。
待機列で渡されたカードも赤。問いかけは『「美しい」という感情は、あなたのどこから湧き上がってきますか?』で、これもSHISEIDO WEEKに沿ったものなのでしょう。
階段をのぼって「ホワイエ」になっている空間は、学校の教室として使われていた場所。黒板には移築される際の送り出しの言葉がそのまま残っています。ここで対話者の候補を選ぶのですが、どのように選ぶのかはあえて書かないでおきます。みんなも「先生に当てられないように努力していたあの頃の気分」を味わうのだ…。

   

さて、対話シアターへ。もともと平屋だった建物に下を継ぎ足してシアターに仕立てている空間です。劇場のブザーが鳴り、スポットライトとともにスクリーンに向かって選ばれた対話者が向かいます。足取りには緊張が伺えます。
スクリーンの向こうの対話者はオーディションで選ばれたそうで、この点はある意味完全な素人ではありません。しかし、名前も肩書きもわからない素の存在として現れます。
対話する際はいくつか決め事があるそうで、「常体(タメ口)で話す」などのようです。これが結構難しそうで、こちら側の人が思わずですます調で話しかける場面も。
筋書きはありません。何か結論やオチがあるわけではありません。この場で会った名前も知らない二人の会話を「他人の会話を聞かされた」と捉えるか、そのやりとりに何か見出すかはその人次第です。

  

やっぱり難しいテーマを扱うパビリオンだという印象は変わらなかったけど、まったくの赤の他人とも「ことば」を交わせば理解し合える、ということの一端を見せられた気がします。せっかくことばというものを持っているのだから、その価値を大事に使わなきゃな…。

ちょっと時間が余ったので、スイス館に寄って帰りました。切り絵調の展示が綺麗でした。